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リグニンを使用したバイオアスファルト混合物、施工15か月後も良好な供用性を確認
2022-10-12
リリース
大成ロテック株式会社は、樹木の主要成分「リグニン」を使った環境配慮型の道路舗装材料「バイオアスファルト混合物」について試験施工箇所の供用15ヶ月追跡調査を実施し、良好な供用性を維持していることを確認しました。
試験施工は2020年3月に共同研究先である日本製紙株式会社石巻工場構内で実施。施工場所は木材チップを積載した大型トレーラーが往来する車道ですが、15か月後もわだち掘れやひび割れなどは見られませんでした。
バイオアスファルト混合物は、大気中のCO2を吸収し成長した樹木の主要成分であるリグニンをアスファルト混合物の主要材料である石油アスファルトの一部と置き換えることで、舗装内に炭素を固定し、脱炭素化に寄与するものです。試験施工に使用したバイオアスファルト混合物は、主に重交通道路で使用されるポリマー改質アスファルトⅡ型を用いた密粒度アスファルト混合物(20)のアスファルトと木材チップからクラフト製法という手法で副産物として得られた「クラフトリグニン」を容積で10%置き換えたもので、混合物の素材から製造までのCO2収支が約30%削減できると試算されています。
現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で開発を進めており、今後はリグニン使用量の増加とアスファルト混合物製造方法におけるCO2削減によりカーボンニュートラル、さらにはカーボンネガティブな舗装材料の開発を進めていきたいと考えています。
右車線が施工15か月後のバイオアスファルト混合物